色々な出来事

僕が遭遇した出来事を書きます

犯罪にご用心2

突然ですが、皆さんは刑事ドラマやサスペンスを見たりしますか?

先日、あるサスペンスドラマを見ていると、法廷で「故意の犯行なのか、それとも過失なのか」が争われていました。僕は法律に詳しくありませんが、どうやら故意か過失かで判決内容も大きく違うようで、法曹の方は日々難しい判断をしているのだなと感じました。それで思い出したのですが、僕にもそんな難しい判断を迫られた経験があります。そこで今日は、嘗て僕が巻き込まれた事件と、それに対して僕が下した判決について話したいと思います。

 

あれは僕がまだ中学2年生だったときのこと。

僕は中学では剣道部に所属しており、ある日、剣道の昇級審査を受けに行くことになりました。昇級審査とはその名の通り、級位や段位を取得するための試験で、年に何度か決められた会場で開催されます。審査の流れとしては、まず最初に竹刀による基本技と互角稽古の様子を審査されます。そして、それに合格した者は木刀による基本技稽古、いわゆる「形」の審査を受けられるのです。

普段は木刀を使用することはほとんどありませんが、こういった審査の場では木刀を使用する機会もでてきます。なので、僕もこの日の審査のために新品の木刀を用意しました。

とりあえず、竹刀での審査を通過した僕は、次の審査で使う木刀に持ち変えるために自分の荷物を置いておいた場所に一旦戻りました。

 

消えていました。僕の木刀、消えていました。

 

めちゃくちゃ焦りました。こんなにも木刀が必要なシチュエーションでピンポイントに木刀だけが盗まれる事がありますか?そこからは考えるより先に体が動き、その辺にいた全く知らない人に事情を説明して木刀をお借りし、事なきを得ました。

審査中はずっと、「なぜ俺は他人の木刀で・・・・・・。」と考えていました。「他人の木刀で剣道」なにやら新しいことわざが生まれそうです。

 

審査終了後、僕は木刀を盗まれた怒りに燃えていました。そんな時、心優しい後輩が言ってきたのです。「でも、相手も盗む気はなかったかもしれないですよ?ただ間違えて持って行っちゃっただけかも。」と。

ハッとさせられました。怒りに燃えるあまり、僕は最初から「故意に盗まれた」と決めつけてしまっていました。反省です。

その後輩の言うように、誰かが自分の木刀と間違えて、僕の木刀を持って行ってしまった、「過失」の可能性もあります。もしそうだとしたら、審査を終えたこの会場に最後に一本の木刀が残されるはず。そして、その残された木刀こそが僕の木刀を間違えて持って帰った人のもののはずです。

僕たちは会場から人がいなくなるのを待ちました。

 

しばらくして、その時がやってきました。僕たちしかいない会場。その隅に置かれた一本の木刀・・・・・・。

僕は思わず駆け寄ります。「あわよくば自分の木刀であってくれ!」なんて淡い期待を抱きながら、木刀に最接近。そして気づきました。

なんか短い。残されていた木刀はなんか短かったのです。僕たちが使う「大刀」でなく、いわゆる「小刀」というやつでした。ですが、そんなこと言われてもイメージしづらいですよね。イメージ画像を貼りますので、皆さんも「大刀」と「小刀」の差を見比べてください。

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故意だろ。

この長さの間違い、過失では無理があるだろ。昇級審査会場に来たものの、自分の木刀が小刀であることに気づき俺の木刀を盗んだんだろ!さらには用済みになった小刀を会場に放棄して帰ったんだろ!なんの置き土産だよ!

 

すみません。激しく取り乱してしまいました。皆さんはどう思われますか?この事件、故意の犯行でしょうか?過失でしょうか?

人それぞれ、いろいろな判決があってもいいと思います。ただ僕は、あの日僕の木刀を盗んだ犯人を絶対に許しません。

 

そんな憎き犯人が残した小刀を持って帰っても仕方がないので、結局、その小刀は会場に残して帰りました。もしかすると、あの小刀はまだあの会場にあるかもしれません。皆さんはくれぐれも自分の木刀を大切にしてください。