色々な出来事

僕が遭遇した出来事を書きます

恐怖!食堂に住まう者

突然ですが、皆さんは幽霊などの存在を信じていますか?

少し季節外れかもしれませんが、今日は僕が実際に体験した怖い話をしたいと思います。僕自身もいまだにこの体験が霊的存在によるものだったのか、それとも何か他のものの仕業なのか、真相は分かりません。

 

先日、僕は友人と二人で大学の食堂にいました。食堂はまだまだ空席が目立つ時間帯だったので四人掛けテーブルに向かい合って掛け、それぞれ空いた隣のイスには荷物を置いていました。そうして早めの昼食を済ませた僕たちは雑談に花を咲かせていました。

 

しかし思い返してみれば、このとき既に僕たちは取り憑かれ、狙われていたのでしょう。あの者に。

 

雑談をしている僕たちは突然、一人の男に話しかけられ、学部と学年を問われました。見知らぬ男でしたが僕は「アンケート協力のお願いかな?」くらいに考えていました。ちなみに友人は「宗教の勧誘か?それともクスリか?」と思ったそうです。けれど結果から言うと、僕たちの予想は全て外れていました・・・・・・。

 

男は僕たちが学部と学年を答えるのを待たずして、友人がイスに置いていた荷物をどけ、友人の隣に座ったのです。僕は目の前で何が起こっているのか理解できませんでした。「先ほどまで2人パーティだったのが急に、見知らぬ男1名を含む3人パーティに進化した。」たったこれだけの事実を飲み込めませんでした。いや、こうして文章化している今でも飲み込めていません。

 

僕たちの理解が追い付かずとも、状況は刻一刻と変化していきました。男は着席するや、パスタを食べ始めます。唐辛子入りペスカトーレでした。そして、食べながら「辛いパスタは好き?」と質問を飛ばしてきました。そのとき、僕も友人も直観的に悟ったのです。「口裂け女の『私、キレイ?』と同じタイプのやつだ!」と。「この返答を誤れば大変なことになる。好きだと答えたら男がペスカトーレを取り分けてくる!」と。

僕たちは何とか「いえ、辛いのは苦手で。」と答え、事なきを得ました。その後、男は黙ってパスタを食べ、完食すると「じゃあ、ごちそうさま。」そう言い残し、立ち去ったのでした。

 

空席だらけの食堂。単身で相席を求めてきた謎の男・・・・・・

僕たちが見たものは一体何だったのでしょうか?ただの「他人の昼食に飛び入り参加する事をライフワークとしている者」だったのでしょうか。

僕にも彼の正体は分かりません。しかし僕は、彼がパスタを食べる様子から、表現し難いほどの哀愁を感じたのです。この世の者ではないのではないか?と思ってしまうほどの哀愁を。そして、楽しそうに雑談する僕たちの仲間になりたかったのではないか?なんてことを考えてしまいます。

ですから明日、食堂に行ったら僕は食堂のおばちゃんに確かめたいと思います。

「この食堂ができる以前、ここは墓地じゃなかったですか?」と。